POLEMデータベース


POLEM (Political and Legislative Materials [Primary Sources])データベースは「外国の政治・立法過程第一次資料」に関する書誌情報および文献所在情報を提供するために作成された二次情報データベースです。このデータベースの対象となっている文献とは以下の資料を含みます。

  1. 議会議事録、議会文書などの立法過程資料
  2. 官報や外交文書などの政府出版物
  3. 政党や労働組合などの社会的諸組織の刊行物、社会的諸運動の中から発生した文書
  4. 国際機関の発行物
  5. 政治家などの書簡・演説等や「状況資料」としての新聞・雑誌記事など、歴史的記録物

これらの文書・文献は、人の著作による学術論文や体系書、概説書などの二次的資料とは異なり、「第一次資料」(Primary Materials)と言えるものです。この種類の資料は公的な文書や記録物(Archival Materials)であったり歴史的証拠であったりするため、学術研究上、社会的政治的オーソリティを持っている極めて重要な文献となっています。また、その多くが資料的価値の高いものです。

しかし、このような資料はその「生い立ち」からいって、本来、発行部数が限られている場合がしばしばあり、一般の書籍のようにどこでも手に入るものではありません。また、この種の資料は内容が大部のことも多く、購入することが困難な高額なものも少なくありません。従ってこれらの資料はたとえ購入されるにしても一つの機関に集中的に収集されることは少ないわけです。一方、これらの原資料が復刻版として或いはマイクロフィルム化されて出版されるケースが盛んになってきています。その結果、各資料が全国に分散するという状況を呈することになっています。

このような状況の中で社会科学分野、とりわけ政治学・法律学研究におけるこれら「第一次資料」の利用が活発になってきています。そして研究や教育においてこういった「オーソリティをもつ」文献を利用することによってその研究の質的向上をはかることにもなっています。

POLEMデータベースはこのような資料だけを対象として、その文献の書誌情報と所在情報(どの大学のどの図書館に所蔵されているかの情報)を提供しています。

  • 国立情報学研究所WEBCAT データベースの補完的役割としてのPOLEM

WEBCATは全国の各大学等に所蔵されている外国図書の書誌情報を収録しています。POLEMデータベースの収録レコードはWEBCATの収録文献としては重複しているものもありますが、WEBCATに収録されていない文献や所在情報が収録されている場合もあります。したがって、外国の政治や立法過程に関する第一次文献の国内所在を調べる際、WEBCATだけでなくPOLEMにもトライしていただきたいと考えます。とりわけ、WEBCATはマイクロフィルム資料については収録の網羅性の点で完全とは言えないからです(下に例を挙げます)。これは所蔵館の受入基準がそれぞれ異なることも原因の一つであると推測されます。

 例

 National Archives, Records of former German and Japanese Embassies and consulates, 1890-1945 78 reels

WEBCATでは東京大学の所蔵情報は載っていますが成城大学のデータは入っていません。POLEMではどちらも載っています。

さらに、大きなコレクションの中に所収されている個々の文献 (たとえば、雑誌を集めたコレクションはその所収の個々の雑誌はデータとしてWEBCATに所収されない)は検索対象から除かれてしまっています。しかし、大学で購入される第一次資料の中には個別文献が大量に収められたコレクションの類も数多くあります。そして、このような資料はその総合タイトルからでは個々の所収文献がどのようなものであるか判明できないことがよくあります。また、これらは一般の単行書のような人の著作物とは異なり、政府や公的機関、社会的組織による発行文献であるために確定したタイトルが無く文献内容がわかりにくい場合も多い。そこでPOLEMでは、その内容を示した解説をできる限り掲載しています。これは研究者や図書館員にとって非常に役に立つと思われます。

ところで、POLEMには資料の解説などのWEBCATにない情報も含まれる文献も収録されており、さらに、国・地域のエレメントが検索キーとして付してあります。外国の第一次資料を捜す場合その文献がどのような主題をもっているかということ以外に、どの国・どの地域から生まれでた資料であるか、さらにどの国に関係する内容を持った文献であるかは資料の属性としてきわめて重要で、したがって検索のためのファクターとなっています。このようにPOLEMは研究者ユーザが文献を探す時、ある研究テーマからどのような一次資料があるのだろうかと考えながら検索する場合に対応しようとしています。すなわち、 POLEMデータベースのコンセプトは予めタイトルのわかっている特定文献の所在を知ること以外に、研究材料収集のための検索(テーマに関係した文献の不特定検索)にあります。

さて、WEBCATとともにPOLEMも調べてほしいと考える理由として以下に具体的な例をあげます。

もっぱらWEBCATやFSCATを調べて○○大学には所蔵されていることはわかっていても場所が遠いので見るのをあきらめることはよくあることですが、実際には近くの大学にも所蔵されているのにWEBCAT等にその所在情報が掲載されていない場合は問題です。

 例
Annual Report of Commissioner of Indian Affairs.
U.S. Office of Indian Affairs. 1824-1848. 14 vols.

FSCATによると(WEBCATには搭載されていない)所蔵機関は札幌学院大図と民族博物館となっていますが、もし東京のユーザがそれを見たいと思っても遠いので入手に躊躇するかもしれません。ところが、実際には東大養にも所蔵されていて、POLEMでは知ることができます。

・ 旧い文献はWEBCATに収録されていないケースがあります。

例えば、下記の文献は国際政治学の第一次資料として重要な資料ですが、これはWEBCATでは立命大図と上智大学に所蔵されていることになっています。しかし、実際はたとえば広島修道大学にも所蔵されています。広島修道大学は学術情報センターに参加しており文献目録情報を提供していますがデータとしては入っていません。もし、広島や九州の研究者がどうしても本文献を見たいときわざわざ遠くの京都や東京まで行ってしまいかねません。本文献はマイクロフィルム資料であるためであろうか、所在情報の欠落が生じているケースですが、ブックフォームの文献でも同種の欠落がなしとしません。

TITL:The Cuban missile crisis, 1962
PUBL:[Washington, D.C.] : National Security Archive
PUBL:Alexandria, VA : Chadwyck-Healey , 1990
PHYS:586 microfiches ; 11×15 cm + guide and index
NHLD:0002
HOLD:立命館(FA007739)
HOLD:上智大 AV(FA005358) V.Microfiche CL.E:841:C82:1990:Case 1 ; V.Microfiche CL.E:841:C82:1990:Case 2 ; V.v. 1. Guide index CL.E:841:C82:1990:Suppl.1 ; V.v. 2. Index CL.E:841:C82:1990:Suppl.2

このように、一般の単行書など以外の政治・立法過程に関わる第一次資料の所在を調べる時は
是非、WEBCATだけでなくPOLEMデータベースも利用していただきたいと思います


なお、POLEMデータベースに収録の主要な文献を簡単な検索で調べたい場合はここをクリックしてください。


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